日々の呟きから子育てコラムまで。イラストレーターとファミリ―ライフエデュケータ-のコンビ「さえる」のブログです。家族支援学についても書いてます。
自分の子育ては見えません
2014年05月03日 (土) | 編集 |


 きっかけは、長女の言葉でした。

予定通りに勉強が進まない様子を、いつものように厳しくののしる私に、とうとう彼女は、涙ながらに訴えたのです。

「そりゃあ私、見かけは中学生かもしれないけどさあ、まだ中身は子どもなんだもん。『中学生なんだから!』って怒られてばっかりでさー、もう嫌になっちゃうよー」

 カナダの家庭支援の原則は、
「長所に注目する」
「持っているものを活かす」
「地域全体で支える」

 北海道内はもとより、道外にもこの考えを解説して歩いている私。

 そして出逢う「お母さん」たちにも、
「生きていればいいじゃない」
「気楽にやろうよ」
「完璧な親なんていない」
 と笑顔を振り撒いているのに。

 気がついたら、自分の子どもには、ギリギリギリギリ締め付けていたのです。

「お前にはこういうところが足りないの!」
「ちゃんとしなさい!いつも頭使って」
「同じこと何度も言わせないでョ!!」

 ふう…。こうして普段の言動を思い返せば、カナダの理念や「お母さん」達へのアドバイスとは正反対の、家の中の私が見えてきます。

 ……今、私はやっとわかりました。

 なぜ、私がカナダの考え方にこんなにも惹かれ、なぜ、それを一生懸命伝え続けているのかが……。私が、それをほんとうに伝えたかったのは、実は、他ならぬ私自身だったんですね……。

 なんでも計画通りに行かないと気がすまないところのある私。そのくせ何かに集中すると他の事が手につかなくなり、結果的にはほころびだらけの私の子育て。

 そして、それをいつも後悔しては繰り返す……。
 完璧が好きで、だから自分も子どもも、そして他の人や他の子どもも、ついアラ探しして直そうとしてしまう私……。
 
 私にこそ、

「生きていればいいじゃない」
「気楽にやろうよ」
「完璧な親なんていない」

というアドバイスが、一番必要だったのです!

 私の愛読書「問題の子ども」(A・S・ニイル著、黎明書房)にこうあります。

「大人たちは『完全になりたい』という自分自身の願いを『他の人を向上させよう』という願望に置き換えてしまう」。

 何度も読んだ文章なのに、まったくその通りと思っていたのに、それが自分のことだとちっとも気づかなかったとは!

 人間、自分のことは本当に見えないものですね。

(2006年 北海道東神楽町 広報誌 に掲載)
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